ふかろーずい

何に使うかは未定です

今明かされる!! まちカドまぞくに出てくるフォント

 まちカドまぞくのアニメが12話を迎えてから2ヶ月近く経ちましたが、今でも絶えず続いている考察や二次創作などをTwitterなどで検索するのが日々の楽しみになっています。原作の展開からも目が離せませんね。 

そんな中で、自分でも考察したいな!!と思ったんですが、そもそも考えるのが苦手だし、注意深く読まないと気付かないような小ネタも殆ど発見されているだろうし……という感じになったので、取り敢えず自分の趣味であるフォントの方面から攻めてみることにしました。

 

 

この記事では、まず『まちカドまぞく』の単行本の表紙のフォントなど、本編と直接の関連が無さそうな部分について解説していきます。ここまでは原作を読み終わってない人でも読んで大丈夫です。たぶん。

その次に、本編の中で使われているフォントについて、登場頻度でランキング付けするとともに、それぞれのフォントの使われ方や使った登場人物などについて解説していきます。アニメ化範囲を超えて初めて出てきたフォントの解説などではどうしてもネタバレ情報を含んでしまいますので、原作を5巻まで読んでない人には先に原作を読んでほしいです……!

最後に、単行本6巻に収録予定の範囲で気付いたことをつらつらと述べていきたいと思います。

 

先に申し上げておきますと、5巻までの範囲でフォントによって分かった事実みたいなものは特にありませんでした……!!!洞察力にとうてい無視できない大変な課題を抱えているだけかもしれません。ただ、調べたまま自分の手元に残しておくのも勿体ないような気がしたのでブログ記事としてここに記しておこうと思います。考察とか以前に「1つの作品に登場するフォントとその使い方」みたいな資料にはなったのでは……とは思います。

 

 

単行本のカバー、カラーページなど

まず、まちカドまぞくの単行本のカバーを彩るフォントを見ていきましょう。この辺りは全部デザイナーさんの仕事であるはずなので、本編などとはフォントの毛色が若干異なります。

1巻表紙 まちカドまぞく1巻の表紙。

はじめにタイトルロゴについて。これは自分が知る限りは既存のフォントではなく、デザイナーの方が作成していると思われます。すごく印象的な造形をしてますよね!

ちなみに、アニメのロゴも背後の標識以外は同じように見えるかもしれませんが、原作のロゴは縦線に対して右側にステンシル風の加工がされている(「ま」などの縦線と横線が交差するところで右側に隙間が空いている)のに対し、アニメのロゴは左側に加工があります。

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まちカドまぞく × マチ★アソビカフェ ランチョンマットケース裏面

各種メディア展開をしていく上での都合でしょうか…?

タイトルの「まちカド(ま)ぞく」の6文字以外も存在していたりします。例えば、表紙に書かれている伊藤いづも先生のお名前も同じデザインがなされています。

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1巻 表紙

Twitterの公式アカウントにて公開されている『よりぬきまぞく』においても「よりぬき」の4文字が新しく作成されています。

また、シャミ子と桃のフィギュアの販促用のポスターの「吉田優子」「千代田桃」もタイトルロゴに倣ったデザインになっています。

上のツイートの3枚目の画像の2人の名前の部分ですね。

叡山電鉄とのコラボ『まちカラきらら』もありましたが、ここの「き」の縦横比が原作のタイトルロゴとは違っている(よりぬきまぞくの「き」は揃ってます)ので、これは少なくとも同一のデザイナーによるものではないと思います。

一度これらを参考にしてロゴのフォントを作ろうと思ったんですけど、既存の「い」「桃」などがなかなかトリッキーで他の文字の予測が難し過ぎて挫折しました……。センスのあるまぞくになりたい。

 

ロゴの話が長くなってしまいました…!次にいきましょう。

巻数を表す数字にはITC Caslon No.224 Std Boldをアレンジしたものが使われています。この5が個人的にすごく好きです。

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5巻 表紙

下のリンクのサイトで試し書きができるので、Enter sample textのところに12345とか打ち込んでみてください。流石に元のフォントにしっぽの意匠は施されていません。

www.linotype.com

また、裏表紙にある「MACHIKADO MAZOKU」などの欧文フォントはNeuzeit Grotesk Boldです。

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1巻 裏表紙

背表紙や奥付の巻数表示にはDIN Condensed Regularが用いられています。

fonts.adobe.com

fonts.adobe.com

裏表紙のあらすじと「逆転マジカルヒロイン4コマ!」などの煽り文みたいなのはスーラで書かれています。 

 

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1巻 裏表紙

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1巻 裏表紙

カバー裏についても見ておきます。カバー裏には丸ゴシックで各話タイトルが載っていますが、これは丸アンチック(かな部分)+TB丸ゴシック(漢字部分)だと思います。TB丸ゴシックが合ってるかちょっと自信がないです……。ひらがなやカタカナが漢字に対して若干細いのが特徴でしょうか。

www.morisawa.co.jp

www.typebank.co.jp

カラーページのまんが以外の部分

このあたりから人によってはネタバレだと感じるかもしれません。

1〜4巻のカラーページに使われているキャラクターの説明文や相関図は、カバー裏の各話タイトルと同じく丸アンチック+TB丸ゴシックになっています。

ただし、これについては例外があり、単行本3巻の「さくらが丘名所案内」の部分だけTBUD丸ゴシックになっています。UDっていうのはユニバーサルデザインの略で、より視認性を高めたフォントという感じですかね……。

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3巻 p. 8

同じページのすぐ下にある「たまさくら商店街」の「さ」と比べていただけると一目瞭然だと思います。
 また、このページの各名所の説明に用いられている手書きフォントはあくあフォントです。

そして、1〜4巻の登場人物の名前の英語表記にはFF DIN Round Mediumが使われています。

www.myfonts.com

 

本編のデフォルトフォントなど

続いて、単行本の中で使われているデフォルトのフォントなどについて。

フォント指定がない場合、登場人物のセリフはアンチック(かな部分)+太ゴ B101(漢字部分)になっています。これは至って普通な感じですね。

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1巻 p. 55

ただし、単行本1巻の描き下ろしカラーページに例外が存在します。登場人物の紹介とともに2コマずつ本編のハイライトみたいなものがあると思うんですが、ここの部分は「築地(かな部分)+TBゴシック(漢字部分)」になっています。

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1巻 p. 4

左ページの描き下ろし4コマはデフォルト通りです。どうしたんだろう。

また、各4コマのタイトルにはキアロが、「ハミだせ!まちカドまぞく」にはユールカが使われています。

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1巻 p. 29

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1巻 p. 86

ハミだせ!の実際のロゴは「まちカドまぞく」の文字を傾けていたり文字間が狭かったりしっぽが付いていたりするので、少し印象が違うかもしれません。

 

まんがの中に出てくるフォントについて

ここからはストーリーの中で使われたフォントについて、登場回数のランキング形式で見ていきたいと思います。この辺りからは単行本5巻までのネタバレを含むので、読み終えていない方は先に読んでしまいましょう!!!!!!

はじめに、調査範囲や登場回数のカウントなどについて説明しておきます。調査範囲は以下の通りとしました。

  • 『まちカドまぞく』単行本1〜5巻の本編
  • 1〜5巻の描き下ろしカラーページ
  • 1〜5巻の『ハミだせ!まちカドまぞく』
  • (6巻収録予定の部分や『つけたせ!!まちカドまぞく』、コミケ企画本、まんがタイムきらら展の図録など、2019年11月現在に刊行されている単行本に収録されていないものは全て含めない)

 フォントの登場回数のカウントのルールは以下の通りとしました。

  • 1つの吹き出しにフォントが1回登場するたび、そのキャラクターがそのフォントで1回発言したとカウント
  • 吹き出しがくっついて繋がったような形のものも「1つの吹き出し」として扱う
  • 同じフォントであればウエイトが異なっていても全て同一視してカウント
  • かな書体については漢字のフォントが異なっても同一視してカウント
  • テロップにのみ登場したフォントはカウントしない
  • メッセージアプリでのやり取りは1件のメッセージを1つの吹き出しとして扱う

説明下手ですみません……。テロップにのみ登場したフォントとしては「ぶきを うばわれた!!」に使われている文字や「優子電波壱號」みたいなもはやテロップというより演出っぽいものなどが存在しますが、これらを入れるとどこまでをカウント対象とするべきか分からなくなってしまうので除外させていただきました。ちなみに、「ぶきを うばわれた!!」などのゲーム風のドットのフォント(ビットマップフォント)には美咲ゴシックが、「優子電波壱號」には懐映体が使われています。

ウエイトって何?という方もいらっしゃるかと思われますが、この後のランキングで具体的に説明します。

ランキングについては、ここでは1位から発表していきたいと思います。その方が色々と説明しやすいので……。

ではさっそく、登場回数トップから見ていきましょう。

 

 

1位:新ゴ(1643回)

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2巻 p. 50

使用回数

1位:シャミ子(901回)

2位:リリス(193回)

3位:千代田桃(160回)

4位:陽夏木ミカン(121回)

5位:白澤店長(81回)

6位:佐田杏里(31回)

7位:吉田清子、朱紅玉(29回)

9位:小倉しおん(28回)

10位:リコ(19回)

11位:ウガルル(15回)

12位:ナレーション・テロップ(14回)

13位:吉田良子(10回)

14位:千代田桜(6回)

15位:体育祭実行委員(ペンキを持ってた子)(3回)

16位:浅瀬先生、たまさくらちゃんの忍者刀の芸当が見たい男の子、ゾンビ対策マニュアル作成委員の子(1回)

 

2位の書体に対して2倍以上の登場回数を叩き出し、堂々の1位に輝いたのはモリサワ新ゴ。テレビのテロップや公共施設の案内表示など、現代の日本に恐ろしいほど浸透している書体です。多くの人が無意識のうちに毎日見ているといっても過言ではないですね(モリサワというのはフォントを制作・販売しているメーカー、およびそのブランドのことです)。

まんがにおいてもその汎用性の高さは健在で、強調からツッコミ、シリアスまでこなせる凄い書体としてまぞくのほとんどのページに出現します。

使用回数トップは圧倒的にシャミ子ですが、3巻から参戦のマスターが結構上位にいますね。紅ちゃんもツッコミしまくっている関係で使用頻度が高いです。2位のごせんぞに関しては、ごせんぞスイッチや等身大よりしろで現世に降臨した際にここぞとばかりに新ゴでトークしまくっています。

ちなみにこれ以外の書体の場合も大抵そうですが、ウエイトは声の大きさやテンションの高さによって変化しているようです。

ここで、ウエイトについて簡単に説明しておきます。まず、下の画像をご覧ください。

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(上から順に)1巻 p. 17、同 p. 62、同 p. 93

これらのフォント、もしかしたら違うものと認識しておられる方もいらっしゃるかもしれません。いや、実際のところ見た目は異なるわけですが、これらは太さに差があるだけで全て「新ゴ」という括りになります。そして、その文字の太さのことをウエイトと呼びます。つまり、上の画像の3つの違いはウエイトの差になります。

わかりやすいように、全てのセリフをこれ勝に統一した画像も用意しました。

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太さこそ違いますが、全体的な字形は一致していることがお分かりいただけるでしょうか。

左側にBやMなどと書いてあると思いますが、このアルファベットがウエイトを表しています。上の新ゴの場合はBがBold、MはMedium、ELはExtraLightの略になっています。

今回は、これらのウエイト違いのものに関しては全て同一のフォントとしてカウントしました。つまり、新ゴの登場回数(1643回)は新ゴBやM、EL、さらにそれ以外のウエイトも全てひっくるめてのものです。2位以下のフォントも全て同じ方針でカウントしています。よろしくお願いします。

 

2位:スーラ(734回)

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2巻 p. 16

使用回数

1位:シャミ子(373回)

2位:ナレーション・テロップ(208回)

3位:千代田桃(60回)

4位:リリス(41回)

5位:陽夏木ミカン(12回)

6位:白澤店長(11回)

7位:小倉しおん(10回)

8位:リコ(6回)

9位:吉田清子(4回)

10位:吉田良子、千代田桜(3回)

12位:朱紅玉(2回)

13位:佐田杏里(1回)

 

 

グランド・ジャット島の日曜日の午後』などで知られる画家、ジョルジュ・スーラにちなんで名付けられた丸ゴシック体。これもあちこちで見かける書体です。

上の画像を見れば作中で使われている場所は一目瞭然かとは思いますが、ナレーションやテロップ以外にも各キャラクターの心情描写などにも使われています。でもシャミ子の使用回数の方が多い!本人の心情がけっこう多かったです。

二重線の枠のナレーションの正体は作中でも示唆され、アニメの最終話でははっきりと示されはしましたが、ここでは本当に単なるテロップとの違いが曖昧なところがそれなりにあったため「ナレーション・テロップ」としてひとまとめにさせていただきました。

 

3位:ぶらっしゅ(186回)

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1巻 p. 17

使用回数

1位:シャミ子(135回)

2位:リリス(15回)

3位:陽夏木ミカン(10回)

4位:白澤店長(9回)

5位:千代田桃(6回)

6位:佐田杏里、朱紅玉(3回)

8位:リコ(2回)

9位:吉田清子、小倉しおん、ウガルル(1回)

 

3位に突然デザイン書体が!!

名前の通り、太めのブラシで書いたような荒削りさが魅力的な書体です。セリフの文字サイズだと分かりにくいかもしれませんが、結構ギザギザしています。ブラシで書いた感!作中では、動揺や驚きを表現したい場合に多用されています。

使用回数トップは例によってシャミ子です。2位のごせんぞの9倍使ってる……!勿論シャミ子が表情豊かなキャラクターであるのが大きな理由ではありますが、単純にシャミ子の登場回数が一番多いのもあると思います。一度も登場しない回がないですよね。あまり出てこない回といっても、ごせんぞがたま健康ランドに行く回と魔法少女があすらにカチコミに行く回くらい…かな?

個人的には、桃が6回もぶらっしゅで話しているのが衝撃的でした。桃は初めの頃はあまり感情を出さないタイプであり、色々な表情が出るようになった最近の巻でもある程度は感情の昂りが抑えられている(?)というのもあるのか、驚いても基本的には新ゴで叫ぶんですよね。そんなこともあってか、ぶらっしゅを最初に使うのは3巻になっています*1。ちなみに、登場したセリフ6回のうち3回は「ふぐっ」「っっ」「!?」なので実質3回ですね(?)

 

3位タイ:ハッピー(186回)

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2巻 p. 41

使用回数

1位:シャミ子(73回)

2位:リコ(20回)

3位:陽夏木ミカン、リリス(18回)

5位:小倉しおん(15回)

6位:佐田杏里(11回)

7位:吉田良子(9回)

8位:千代田桃(7回)

9位:ウガルル(5回)

10位:白澤店長、朱紅玉(3回)

12位:杏里の母、千代田桜、たまさくらちゃんのヌンチャクさばきを見たい女の子、つるむらさき栽培委員の子(1回)

 

まさかの同率3位。こちらもデザイン書体です。1位と2位は定番書体だとして、3位にかくもデザイン系の書体が入るところは4コマまんがらしさを感じます。いや、他の作品のフォント調査とかしたことないけど…

ぶらっしゅは動揺したときに使われがちだったのに対し、こちらは嬉しさや楽しさの表現に採用されがちな感じがします。

ちなみに、ハッピーにはモリサワの「ハッピーN」とフォントワークスの「ロダンハッピー」があります。「ハッピー」自体はひらがなやカタカナ、英数字のみが収録されているフォント(かな書体)で、モリサワは全6種のウエイトをラインナップに揃えて「ハッピーN」を販売しています。一方、フォントワークスは「ロダン」というゴシック体の漢字を合わせて、ウエイト6種の「ロダンハッピー」として販売しています。つまり、上の画像の漢字部分は「ロダン」というゴシック体であるってことですね。

このランキングではこの2つを統合して「ハッピー」としています。ご了承ください。漢字が一切出てこないセリフだと判別がかなり大変なので…

 

5位:マティス(159回)

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1巻 p. 84

使用回数

1位:シャミ子(30回)

2位:千代田桃(23回)

3位:佐田杏里(18回)

4位:千代田桜(17回)

5位:陽夏木ミカン(15回)

6位:リリス(13回)

7位:吉田清子(11回)

8位:ウガルル(6回)

9位:リコ、白澤店長(5回)

11位:朱紅玉、浅瀬先生(3回)

13位:吉田良子、小倉しおん、(2回)

15位:体育祭実行委員(看板の構想を練り過ぎた子、ミカンの騎馬の後方左の子)、duの店員、校長先生(1回)

 

この名前を聞くと新世紀エヴァンゲリオンを連想するという方もいるのではないでしょうか。サブタイトルなどで使用され「エヴァフォント」と呼んでいる人もいる、そんな書体ですが、まちカドまぞくにおいてはウエイトごとに役割が異なります。

まず、上のマティスEBのような太いものは無意識なボケや言外に圧力を感じさせるようなセリフなどで使われています。こういう太い明朝体は、シリアス展開の多いストーリーまんがでは重いセリフに使われがちですが、4コマなどのギャグが主体になりがちなテイストでは各4コマのオチで使われる場合が多いですね。

一方、マティスMは次のように使われています。

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2巻 p. 61

まぞくのちぎ投げハイライトで使われる…というのは部分的に合っていますが、正確には「過去の回想や想像上のセリフ」に充てられています。ただし例外として、シャミ子がパソの墓の想像をするシーンではイマジナリー桃はスーラでしゃべっています。

さらに、マティスDBについては以下のような使用例があります。

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5巻 p. 80

これは結界なきあすら(仮)に紅ちゃんが気づいたシーンです。このシーン以外での使用実績がないのでなんとも言えませんが、正体不明のキャラクターがしゃべっているときに使われる…のかな?

 

6位:ぶどう(138回)

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1巻 p. 9

使用回数

1位:リリス(110回)

2位:シャミ子(14回)

3位:千代田桜(12回)

4位:千代田桃、陽夏木ミカン(1回)

 

このフォントが頻繁に使われるのは結構珍しいのではないでしょうか。この作品においては、ぶどうに一貫した使い道が与えられています。それがテレパシー

作中ではごせんぞとシャミ子たちのテレパシーでの会話、ごせんぞをトランシーバー役とした桃とミカンのテレパシーでの会話、夢空間でのごせんぞテレフォンなどが登場しますが、これらはごく一部の例外を除いてフォントがぶどうになっています。また、テレパシーのときは吹き出しに白玉ぜんざいの白玉みたいなものが浮遊したデザインになってますね。

フォントが違うシーンもたまにあります。例えば、2巻でごせんぞうが桃に条件反射で砲丸投げされた後、いぬの犬小屋付近でシャミ子を呼ぶシーン。ここでは吹き出しに白玉が舞っているにもかかわらずデフォルトのアンチック+太ゴになってますが、これはテレパシーではなく現世に口出ししてるからかもしれませんね。至近距離だし。

 

あともう一つ。先日、聖蹟桜ヶ丘アニメイトに複製原画を見に行きました。写真撮影もOKとのことで意気揚々として記録に残していたのですが…

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あれ!?フォント違う!!

たぶん店内で困惑してプチ不審者みたいになってたと思います。ごめんなさい。

ここのリリスのセリフのフォントは、単行本では先ほどの画像のとおりぶどうになっています。ですが、複製原画ではスキップという別のフォントになっています。ということは、どこかのタイミングでテレパシー関連のフォントに関してディレクションが入ったのでしょうか。単行本を出すタイミングで修正されたのかな…?

 

7位:リュウミン(132回)

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2巻 p. 57

使用回数

1位:千代田桃(60回)

2位:シャミ子(31回)

3位:リリス(14回)

4位:リコ(6回)

5位:小倉しおん(5回)

6位:白澤店長(4回)

7位:陽夏木ミカン、佐田杏里(3回)

9位:吉田良子、朱紅玉(2回)

11位:吉田清子、ナレーション・テロップ(1回)

 

森川龍文堂明朝体をベースにした、モリサワの代表的な明朝体です。実はマティスの太いウエイトとほぼ同じ使い方、すなわち言外に圧力を感じるセリフなどへの適用をされています。これとマティスの使い分けがよく分からないんですよね……。

ただ、(上の画像はちょっと違いますが)桃がキレ気味のときはこのフォントになりがち……な気がします。使用回数は桃がトップです。シャミ先に勝った。

今更ですが、フォント紹介用に引用しているセリフの選定に深い意味はないです。ある程度の長さがあるものの中からピンと来た(?)ものを引用しています。

 

8位:康印体(101回)

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3巻 p. 55

使用回数

1位:シャミ子(50回)

2位:リリス(17回)

3位:千代田桃(10回)

4位:白澤店長(8回)

5位:小倉しおん(4回)

6位:陽夏木ミカン(3回)

7位:吉田清子、吉田良子(2回)

9位:佐田杏里、リコ、朱紅玉、ダンプの人、アメに飢えている子(1回)

 

なんかホラーっぽいと思われがちな書体です。こういった書体は「古印体」という呼ばれ方をすることが多いです。上の画像でも「探」などの文字の造形がはんこっぽくなっているのがお分かりいただけるのではないでしょうか。作中では悲しみや恐怖を表すときのセリフに使われていますが、この書体のかすれてて乾燥してそうな感じが効果的になっていると思います。

 

9位:レゲエ / コミックレゲエ(99回)

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4巻 p. 57

使用回数

1位:シャミ子(71回)

2位:リリス(9回)

3位:ウガルル(8回)

4位:陽夏木ミカン(5回)

5位:千代田桃(3回)

6位:リコ、朱紅玉、人体標本磨き委員の子(1回)

 

まんが以外だとソシャゲで使われているのを見たことがあるかもしれません。トゲのある感じのフォントですよね。主に動揺したときに使われています。ちなみに「コミックレゲエ」というレゲエを僅かに太くした書体も作中に出てきますが、太さ以外に特に違いが見つからないので同一書体として集計しています。

 

10位:ミステリ / コミックミステリ(87回)

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2巻 p. 14

使用回数

1位:シャミ子(48回)

2位:リリス(9回)

3位:千代田桃(8回)

4位:白澤店長(7回)

5位:小倉しおん(4回)

6位:冷蔵庫(3回)

7位:陽夏木ミカン、吉田清子、佐田杏里、ようかんお化け(2回)

 

これもホラーっぽい!ただし、先ほどの康印体が古印体ベースであるのに対し、ミステリは明朝体(おそらくマティス)をベースにして太さを調整することでおどろおどろしい感じを出しています。レゲエ同様に「コミックミステリ」という若干太いバージョンがあり、ここでは両方合わせての登場回数としています。

 

11位:万葉古印(51回)

j-font.com

使用回数

1位:蛟(29回)

2位:メタ子(17回)

3位:リリス(3回)

4位:リコ(2回)

 

時は来た!!!!!フォント持ってなかった!!!!!ごめんなさい!!!!!!!!!!

白舟書体の古印体です。メタ子やメタトロンの使いの人語セリフや蛟のセリフに使われています。ごせんぞやリコくんもたまに使いますね。

この書体は少し前まではフォントワークスのフォント定額プラン「LETS」(フォントワークスの全フォントが一定期間使えるライセンス)に一緒に入ってましたが、フォントワークスと白舟書体との契約任期満了に伴い収録されなくなったみたいです。実例付きフォント字典では「フォントワークスのフォント」っぽく紹介されてたので、LETSに契約している以上は手元にあると思ってたんですが、これは2018年の本なのでまだ収録されていた時代だったみたいですね。

注目すべきは普通のLETSにおける万葉古印の提供が2019年6月24日で終了したことです。つまり5巻出版とほぼ同タイミングです!まんが一般において、雑誌や単行本用のフォントの使用ライセンスを持っているのが原作者なのか出版社なのかよく分からないのですが(おそらく出版社ですよね……?)、LETSに契約してこのフォントを使っていた場合は今後のメタ子のセリフのフォントが変わる……かもしれませんね。

 

2020.02.11 追記

キャラット3月号の「ばんがいまぞく」にて万葉古印が登場しました。そのため、メタ子や蛟の声が万葉古印から変わることは多分ないと思います。

 

12位:竹(47回)

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1巻 p. 67

使用回数

1位:シャミ子(28回)

2位:リリス(9回)

3位:陽夏木ミカン(4回)

4位:千代田桃(3回)

5位:吉田良子、ウガルル、朱紅玉(1回)

 

竹下直幸さんというデザイナーによって生み出された、直線のみで構成されているのが特徴的な書体です。作中では弱気な感じのセリフにおいて使われる場面が多い印象です。

 

13位:スキップ(45回)

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2巻 p. 32

使用回数

1位:シャミ子(25回)

2位:リリス(5回)

3位:陽夏木ミカン、小倉しおん(4回)

5位:リコ(3回)

6位:佐田杏里、ナレーション・テロップ、白澤店長、蛟(1回)

複製原画でぶどうのかわりに使われていたフォントがこちら。縦画が太く横画が細いなどの明朝体に似た特徴を持つ一方、ウロコがないという明朝体との決定的な違いを併せ持つデザイン書体です。

このフォントで蛟がしゃべってるのちょっとかわいくないですか(?) 

 

14位:ヒラギノ明朝(42回)

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3巻 p. 15

使用回数

1位:千代田桃(22回)

2位:シャミ子、リリス(6回)

4位:陽夏木ミカン(3回)

5位:吉田清子、吉田良子、リコ、白澤店長、浅瀬先生(1回)

 

3つ目の明朝体の登場です。

実は1巻の時点では1回しか使われていなかったんですが、2巻以降ではちょくちょく使われるようになってきました。代わりにマティスEBの使用頻度はどんどん下がっています。

同じく明朝体であるリュウミンEHと比べるとこちらの方がわずかに細く感じるので、そのわずかなウエイト差で使い分けられているような印象を受けます。

 

14位タイ:タイポスオールマイティ(42回)

www.typebank.co.jp

使用回数

1位:小倉しおん、納涼祭アナウンス(8回)

3位:吉田清子(4回)

4位:陽夏木ミカン、佐田杏里、多摩警察署の人(3回)

7位:シャミ子、リリス、リコ、校内放送(2回)

11位:電車内アナウンス、映画館、たま健康ランドTHKスペシャル『すごくすごい驚異の人体』、たまさくらの陽気な終末ラジオ(1回)

 

フォントがなかったです。ごめんなさい。

1960年代に登場して業界に旋風を巻き起こした書体、タイポスをリデザインしたものです。

現代で「タイポス」というとタイプバンクの「タイポスオールマイティ」「漢字タイポス」、およびモリサワの「UDタイポス」など色々あります。そのうちのオールマイティには漢字が存在しておらず、漢字にはモリサワの新ゴが充てられています。

このフォントは、大雑把に言えばスピーカーから流れる音声に使われています。多魔警察署からの電話や校内放送、夢スマホでの小倉との会話などですね。あと、夢空間にいるときに起こされるなどの外部からの干渉があった場合、その声はタイポスになっています。おかーさんやミカンなどはこれでランクインしています。

なお、このタイポス+新ゴという組み合わせはまんがタイムきららキャラットの他のまんがでも採用されています。芳文社以外でもこの組み合わせを見たような記憶もありますし、一貫したフォント選定のルールがある程度は定められているんでしょうか。

 

16位:麗雅宋(25回)

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2巻 p. 18

使用回数

1位:シャミ子(18回)

2位:千代田桃(4回)

3位:リリス(2回)

4位:陽夏木ミカン(1回)

 

まんがタイムきららのロゴの「きらら」の部分に使われているフォントです。「フレッシュピーチハートシャワー!!」など、まぞくの癖に刺さる必殺技名に使われたりすることが多いです。

 

17位:丸フォーク(23回)

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5巻 p. 116

使用回数

1位:ジキエル(22回)

2位:リリス1回)

 

ジキエルのデフォルトです。メタ子は万葉古印、ジキエルは丸フォーク……ミカエルちゃんは今のところ手書き文字のセリフだけですね。何のフォントでしゃべるんだろう。

 

17位タイ:ヒラギノ角ゴ(23回)

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3巻 p. 58

使用回数

1位:陽夏木ミカン(7回)

2位:シャミ子、千代田桃(5回)

4位:小倉しおん(3回)

5位:佐田杏里(2回)

6位:つぶやいたー(通知)(1回)

 

この記事をiPhoneiPadMacなどのAppleの製品を用いて読んでいるのであれば、この記事は高確率でヒラギノ角ゴで表示されています。

作中では、「つぶやいたー」でのやりとりやLINE風のメッセージアプリでの会話を表現するのに用いられています。ただし、スマホの画面にシャミ子を愛で会などのトーク内容が表示されている場面があると思うのですが、あれはヒラギノ角ゴにはなっていません。詳しくは後述します。

 

19位:フォーク(21回)

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4巻 p. 113

使用回数

1位:シャミ子(9回)

2位:千代田桃(4回)

3位:リリス(3回)

4位:佐田杏里(2回)

5位:リコ、白澤店長、ナレーション・テロップ(1回)

 

シャミ子が使いまくってそうな名前をしていますが、実際にはそれほど多くないです。先ほどのタイポスやスキップと似た印象を受けるフォントです。

 

20位:ニタラゴ(18回)

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4巻 p. 102

使用回数

1位:シャミ子(5回)

2位:千代田桃、佐田杏里(4回)

4位:陽夏木ミカン、リリス(2回)

6位:吉田清子(1回)

ニュー・タイプラボ・ゴシックの略。タイプラボが作ったゴシック体です。ハッピーと同じで漢字は作られておらず、モリサワは「タイプラボN」としてラインナップに含めており、フォントワークスロダンを合わせたものを「ロダンNTLG」として販売しています。

 

21位:ハミング(11回)

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5巻 p. 97

使用回数

1位:ジキエル(11回)

 

なんと今のところジキエルしか使ってない!先ほどの丸フォークとけっこう似ていると思いますが、実はジキエルのセリフのフォントは途中で突然変化しています

具体的には、シャミ子が紅ちゃんの夢の中に入って説得をする回(62丁目)まではジキエルはハミングでしゃべっており、64丁目の紅ちゃんがデトックスをするところの「紅ちゃんアカンで〜消えるで」以降が全て丸フォークになっています。例えば紅ちゃんが魔法少女をやめる前後でフォントが変わる…とかだったらそれっぽいですが、この位置での変化だと流石に意図はわからない…もしかしたら編集している方々にも気付かれてないのかもしれません。

 

22位:スランプ(8回)

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3巻 p. 18

使用回数

1位:シャミ子(5回)

2位:陽夏木ミカン、リリス、リコ(1回)

 

この辺りからは登場回数が激減しており、どこで使われたのか分かりにくいと思います。画像で紹介した場面以外がパッと思いついたらすごい!のではないでしょうか。

スランプはテレビのテロップによく出る系のフォントです。シャミ子にせよリコくんにせよ、涙目になったりしているシーンで採用されがちです。

 

22位タイ:メイリオ(8回)

使用回数

1位:佐田杏里(4回)

2位:陽夏木ミカン(2回)

3位:千代田桃、小倉しおん(1回)

 

めちゃくちゃ驚いたんですが、実は今メイリオが手元にないらしいです…なので画像が作れない!!!

MacBookとはいえMicrosoft Officeも入ってるし持ってるだろうと思ってたんですけどね…

それはさておき、これはスマホやパソコンの画面内で多用されています。「つぶやいたー」で桃がシャミ子にリクエストを送信したときの「よろしく」やLINE風のアプリのメッセージのやり取りが画面内に表示されているときに使われています。

先ほどのヒラギノ角ゴとは、メッセージが画面内に表示されているか否かで使い分けがなされています。例えば、「つぶやいたー」での桃からのリクエストを受信した後のシャミ子の「桃ですか?」から始まる一連のメッセージ、及び桃がシャミ子を愛で会のメンバーにプレゼントに何を選んだか訊くシーンではテキストが空中にポップアップされていると思うんですが、これらの場合にはヒラギノ角ゴが使われています。別工程で作成されているんですかね……?

 

24位:フロップデザイン(6回)

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2巻 p. 34

使用回数

1位:千代田桃、陽夏木ミカン(3回)

 

ここで初のフリーフォント登場!実はメイリオと全く同じ使い方(画面内でのメッセージのフォント)なのですが、2巻の桃がミカンにとんでもないざっくり系のメッセージを送ったシーンでのやりとりにのみ用いられています。

 

24位タイ:ロダンマリア(6回)

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2巻 p. 52

使用回数

1位:シャミ子、リリス、あすら(仮)のお客さん(2回)

 

ハッピーとなんとなく近い雰囲気を感じるポップ風のかな書体ですが、ごせんぞにはよりしろで自我がグチャグチャになるシーンで使われ、あすら(仮)に来た人たちはこの書体でカレーやパフェを片言で絶賛するなど、結構カオスな感じになっています。

 

24位タイ:新正楷書(6回)

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4巻 p. 9

使用回数

1位:シャミ子の絵日記(6回)

 

シャミ子の夏休みの絵日記の内容に用いられています。絵日記は任意課題らしいのに、何も思い出せないことを素直に書いているのがシャミ子らしいですね。

テロップにしか使われていないですが、セリフ系統がこのフォントのみのコマが3つ続くので特例で掲載しました。

 

27位:墨東(4回)

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1巻 p. 92

使用回数

1位:シャミ子(4回)

 

墨東はかな書体で、漢字部分をセザンヌというゴシック体で補完したセザンヌ墨東、およびロダンで補完したロダン墨東の2種類があります。ロダン墨東は4巻カラーページのシャドウぽろぽろ涙のあたりで使われています。

墨東というのは隅田川の東岸の地域のことらしいです。風雅な名前だ……。

名前といえば、モリサワにはプリティーというフォントがありますが、今のところ使われたりはしていません。桃の言動に合うかと言われれば微妙な気もしますが……。

FONT1000にはというド直球な名前のフォントもありますがこちらも同様。桃が似たような雰囲気の書体で話したことはありますが、FONT1000のフォントが作中で使用された実績がないので桃が桃で話すのが実現することはなさそうです。

 

28位:ゼンゴ(3回)

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4巻 p. 74

使用回数

1位:シャミ子(2回)

2位:リリス1回)

 

モリサワは「ゴシックかな書体」として紹介していますが、ここまで来ると手書き書体に近いような気がします。

作中では、ナントカの杖をたいりくけんに変えたシャミ子の第一声や、おくおくたまでへべれけになったごせんぞのセリフなどに使われています。

 

28位タイ:ロダンカトレア(3回)

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2巻 p. 4

使用回数

1位:シャミ子、千代田桃、リリス1回)

 

桃がごせんぞスイッチを迷わずオンにした直後のセリフ……ではなく、ごせんぞの嘘あらすじで「死闘」とされる場面での桃のセリフです。このフォントの使用箇所は全て嘘あらすじです。

 

30位:ロダンローズ(2回)

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1巻 p. 91

使用回数

1位:シャミ子(2回)

 

はじめてのききかんりーの直前のセリフです。ここの部分を見て「なんかいつものゴシック体と比べて違和感あるな〜」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか(?)

 

30位タイ:ラグランパンチ(2回)

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3巻 p. 105

使用回数

1位:シャミ子、ウガルル(1回)

 

キルラキルで使われたことで有名なフォント。最近のまんがタイムきららキャラットの誌面にめちゃくちゃ登場しています。4コマごとの小見出しがない作品の奇数ページ上部に表示される作品名がラグランパンチ、柱に出てくるまんがタイムKRコミックスの宣伝もラグランパンチ、果てにはノンブル(ページ番号)もラグランパンチ……謎の徹底ぶりです。

3位のぶらっしゅ以上に驚いていそうな感じがしますよね。ちなみに、ウガルルちゃんの使用シーンはまな板と玉ねぎとマスターの耳毛を真っ二つにする際の「んがっ」です。凄くびっくりしたのかな。

 

30位タイ:ロダン(2回)

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4巻 p. 34

使用回数

1位:千代田桃(2回)

 

ここに来てついに普通のロダンが登場!動物園回の桃色行間読解のテロップに使われています。

 

30位タイ:スーラキャピー(2回)

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4巻 p. 55

使用回数

1位:シャミ子、テロップ(1回)

 

ハッピーを丸ゴシック風にしたもの(キャピー)に2位のスーラを組み合わせたものです。おくおくたまにシャミ子と桃が訪れる回のみに登場します。

2回のうちのあと1回は、なんかいつも昼から公園にいる人の描写に用いられています。

 

30位タイ:ロダンひまわり(2回)

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5巻 p. 92

使用回数

1位:シャミ子、千代田桃(1回)

 

30位タイはまだまだ続きます!これは二千年後のたま市で出てくるフォントです。ゼンゴとも似たような雰囲気ですが、個人的にはこちらには生活感があるような気がします(個人の感想です)。

 

30位タイ:やさしさゴシック(2回)

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5巻 p. 99

使用回数

1位:シャミ子、陽夏木ミカン(1回)

 

フリーフォント2つ目です。セリフは隠れ575。

やさしさゴシックは5巻から登場。吹き出しに入った状態で表示されたことは一度もありませんが、吹き出し無しでもセリフとして機能しているのでカウントしています。

初期の頃は吹き出し外の文字は手書きが多めだったのですが、最近は少しずつフォントが使われる傾向になってきているような気がします。きららファンタジア  2nd ANNIVERSARY MEMORIAL BOOKの伊藤いづも先生のイラストにも(セリフではありませんが)やさしさゴシックが添えられています。アニメ化のときの各話の応援イラストに添えられたメッセージなどは手書き文字でした。

 

30位タイ:カクミン(2回)

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5巻 p. 108

使用回数

1位:シャミ子、リコ(1回)

 

今のところ63丁目にのみ登場。携帯の契約を済ませたウガルルちゃんへの「えらい!!えらいです!!」といい、発言者と周囲での認識のズレがある感じのセリフに使われているような気がします。ゴシック体と明朝体の特徴を併せ持つこのフォントの初見での不思議な感じに似てるかもしれません(こじつけ)。

 

30位タイ:ロゴたいぷゴシック(2回)

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5巻 p. 104

使用回数

1位:小倉しおん、テロップ(メール件名)(1回)

 

フリーフォント3発目です。雰囲気としてはテレパシーのフォントことぶどうと似ているような気がします。上の画像のセリフ以外では、夢ガラケーに届いたメールのタイトルにも使用されています。

 

38位:中太楷書体(1回)

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1巻 p. 70

使用回数

1位:杏里の母(1回)

 

ここからはわずか1回しか登場していないフォントのオンパレードです!

中太楷書体は娘によってメガ盛りにされた話を再現する杏里ちゃんのお母さんのセリフに使われています。この話を聞いてウィンナー販売のバイトを承諾するお母さんもなかなかです。

 

38位タイ:大江戸勘亭流(1回)

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4巻 p. 12

使用回数

1位:白澤店長(1回)

 

店長が元気そうでなによりです。

勘亭流という名前は、このようなうねりのある文字を考案した岡崎屋勘六の号「勘亭」に由来するらしいです。元は歌舞伎の看板などに用いられる文字ですね。

 

38位タイ:ららぽっぷ(1回)

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4巻 p. 27

使用回数

1位:白澤店長(1回) 

 

店長が楽しそうでなによr……

これだけ見ると狂気に満ち溢れているような感じがしますが、内容が内容なら至って普通のかわいらしいポップ体です。漢字はないのでモリサワ新丸ゴで補っています。新丸子みたいな名前ですね。

 

38位タイ:くろかね(1回)

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4巻 p. 113

使用回数

1位:佐田杏里(1回)

 

非常に短いですがこのセリフにしか使われていません。天井裏から登場した小倉に杏里ちゃんが二重の意味で仰天するシーンです。ソシャゲやCMなどで引っ張りだこの人気書体ですが、今後再びまぞくで登場する機会は訪れるでしょうか。

 

38位タイ:古今髭(1回)

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5巻 p. 46

使用回数

1位:リリス1回)

 

今のところ、ごせんぞがリバったときだけに見ることができる貴重なひげ文字です。力強い筆で書いたような文字が見事にマッチしていますね……。

 

38位タイ:ひげ文字(1回)

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5巻 p. 69

使用回数

1位:シャミ子(1回)

 

シャミ子の心の叫びです。これもひげ文字ですが勢いがすごいですね。一回くらいこのフォントで叫んでみたくないですか(?)

ちなみに、まんがでは「Ⅱ」がゴシック体になっていたのでこの書体には収録されていないのかと思っていたのですが、普通に入力できてしまいました。縦書きだと事情が違っていたりするのでしょうか……と思ったのですがこの「Ⅱ」だと少し分かりにくいから……?

 

38位タイ:新ゴ シャドウ(1回)

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5巻 p. 109

使用回数

1位:リコ(1回)

 

新ゴを縁取りにして影を落としたフォントです。別のまんがで凄くかっこ良さげな使い方を見かけたことがあるのですが、ここでは謎の胡散臭さが出ていて適応性の高さに驚くばかりです。シャドウとついていますが使ったのはリコくんのみ。

 

38位タイ:コメット(1回)

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1巻 p. 4

使用回数

1位:千代田桃(1回)

 

これで最後です!

登場人物紹介の桃のページで登場しました。鍛錬っぽい話題だからか、1巻の桃にしては感情が漏れてるタイプのフォントでしゃべっている印象を受けます。

 

まとめ

こんな長い記事をわざわざ読んでくださり、誠にありがとうございました。上の方にあった目次からワープしてきてくださった方々もありがとうございます。

今回の調査で分かったこととしては、マティスやぶどうのような役割がはっきりしている書体が存在する一方で、一発ネタ的に使われている書体も多いということでしょうか。また、途中でしゃべるフォントが変わったキャラクターがいたりと、少し気になる部分も散見されました。

いくらなんでもフォントで伏線を張る……というか設定の存在を示唆するようなことはないんじゃないかと思いますが、今後の動きにも注目していきたいと思います。

ひとまず、お読みいただきありがとうございました。

フォントの間違いなどがありましたらご指摘していただければ幸いです。正直ウエイトに関してはあまり自信がないです…。

 

 

ここから先は6巻収録予定分の内容についての言及なので、単行本勢の方々はくれぐれもご注意ください。

 

 

 

6巻収録予定の範囲について

ということで、ここからは6巻収録分について、フォント関係で気づいたことや謎の考察、もとい妄想をしていきます……。

 

6巻の範囲になると、本編の内容はもちろん、フォントについても新しい書体が使われるようになったりと色々と変化を感じるところが多いのですが、読んでいてなんとなくフォントに違和感を覚える部分がありました。小倉が結界をいじって吸い込まれてしまった回です。

当該の話はキャラット10月号に掲載されているので、読める方はフォントに着目しつつぜひご一読いただきたいです。

 

読んでいただいた皆さんの中にも気付いた方もいらっしゃるかもしれません。とりあえず、自分としては以下の部分が気になりました。

 

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キャラット10月号 p. 14

お分かりいただけただろうか……。

ここ、今までの内容と矛盾が生じているんですよね。今までだとテレパシーのフォントはぶどうというのが法則だったのですが、ここでは64丁目からのジキエルのデフォルトである丸フォークになっています。

実は同様の現象は過去にも起こっています。5巻でシャミ子が紅ちゃんの夢の中に潜入したとき、紅ちゃんの前に突如としてジキエルが現れますが、このときの吹き出しは例によって白玉みたいなのが浮遊しているものになっています。でもフォントはぶどうじゃなくてハミング(この頃のジキエルはまだ丸フォークじゃなくてハミングでしゃべってました)。

このときは「夢の中だしテレパシーではないのかもなあ」くらいにしか思ってなかったのですが、今回テレパシーであると明言されたのでそうも言っていられなくなりました。

ということで、この理由について考えられるだけ考えます。ですが、ふだん頭をぜんぜん使っていないのでこれくらいしか思いつきませんでした……。

  • 単なるミスで単行本収録時にぶどうに統一される
  • フォントのルールはそこまで厳格に定まっていない
  • 「テレパシーのフォントはぶどう」よりも上位の法則として「ジキエルのフォントは丸フォーク」が存在している
  • 実はテレパシーで話していない
  • テレパシーのシステムが(リリスによるものとは)異なる

上3つだと最早「そうですね」と納得するしかなくなってしまうので、取り敢えず別の理由だということにしておきます。3つ目だったらなんか面白いですが、65丁目の冒頭の回想シーンでのジキエルのセリフは従来の回想時の法則通りマティスになっているため、上位の法則説は低いと思います。

まず、実はテレパシーでしゃべっていないという説。突飛な発想ですが、紅ちゃんの夢の中でジキエルのような金魚が複数匹いたことを踏まえると、屋根裏にも仲間が複数潜んでいてもおかしくないかも……と考えられはします。ですが、「選択肢をミスらない子」の2コマ目で水槽内のジキエルに向かって吹き出しの矢が伸びているのでその可能性は低いような気がします(テレパシーであっても吹き出しから矢が伸びているケースは過去にも存在しています)。あと、複数いる場合はたぶん塩素を怖がりはしないので……一匹一匹にしっかりした自我があったりジキエルが演技派だったりしたら話は別ですが。

そうするとテレパシーのシステムが違うということになってしまいますが、テレパシーのシステムってなんだよ。そもそもここのフォント違いについてツッコミを入れていくのが正しいのかどうかすら微妙ですが、実際のところシステムはともかくテレパシーは謎が多いです。

(この辺からはもはやフォントと関係ない気がしますが)まちカドまぞくの世界では、魔力があるものがテレパシーのやり取りが可能っぽいということはわかります。また、ごせんぞテレフォンの説明や「トランシーバー役」としてのごせんぞの立ち回りからすると、テレパシーの送受信にはともに魔力が必要であり、魔法少女同士で直接テレパシーを送り合うことは不可能であるとも考えられます。

シャミ子から桃へのダイレクトなテレパシーも不可能(スまぞく回)みたいなので、おそらくリリスはテレパシーに関しての能力を持つ特別な存在(もしくはテレパシーでのやり取りに必要な魔力を補っている)になるのですが、この流れで行くとジキエルのような天使も同様の能力を持っていることになります(?)ということはメタ子とかミカエルちゃんとかも同じことができるんでしょうか(?)この辺は聖書とか知ってたらもう少し深いことが考えられるんですかね……。

また、テレパシーが通じたことを踏まえると良ちゃんも魔力を持っている可能性があります*2。これに関しては、ジキエルが最初に良ちゃんに会ったときに魔力の素質があるとコメントしていたことや、良ちゃんがメタ子を抱いたらメタ子が謎に光ったりしていたことからも関連づけられそうです。ただ、テレパシーのシステムが違ったら別に魔力がなくてもテレパシーの受信ができてしまうかもしれない……のですが。

良ちゃんが最初に天井裏に行った時にジキエルは一切の意思疎通ができなかったにもかかわらず、2回目はあっさりテレパシーで話すのもなかなか謎ですが、これは良ちゃんが2回目の天井裏訪問の前におかーさんが持ってきたリコさんのプリンを食べたとしたら説明がつきそうな気はします(実際の描写がないのでなんともいえません)。若手の天使であるジキエルがおっちょこちょいでテレパシーの存在を忘れていた、とかも考えられます……かね?

ある程度の時間を小倉と過ごしているであろうジキエルが、それまでガラスの防音仕様に気付いていなかったのも気になります……何かあるのでしょうか。……小倉とはずっとテレパシーで話してた?いや、セリフのニュアンス的に防音仕様を忘れてただけか……?

まあ何はともあれ、ジキエルがこのまま漂白剤に震えて眠るだけのポジションに落ちつくとは思えないので、今後のジキエルと良ちゃんに目が離せませんね。もはや考察じゃねえ!!!!!

 

あと、本当に単に気付いたことですが、テレパシーではないけど白玉がふわふわしている吹き出しが結構登場します。65丁目(焼肉回)の最後のシャミ子と桃のセリフとか、67丁目(小倉が吸い込まれる回)の良ちゃんに対する小倉の「天井裏からこの材料をもってきてほしい〜」とか……。前者に関しては雰囲気にマッチしていると言われればそうかもしれませんが、後者に関しては理由がよく分からない……。

 

ということで、中途半端に気づいたことだけ述べる形になってしまっていますが、あまり風呂敷を広げすぎると全然違ったときに恥ずかしいので一旦締めさせていただきます。とりあえず次の話を心して待ちましょう!!!

終わり!!!!!!!!!!!!

*1:2巻のみかん箱の秘密を知ったところで初めてぶらっしゅでしゃべった可能性もあります。アニメではシャミ子と桃は2人で叫んでいましたが、原作だと桃は叫んでいるか微妙なのでカウントしませんでした。

*2:ただし、「テレパシーの受信に魔力が必要」というのは1巻のシャミ子が小倉の薬を服用したあとにテレパシーが通じるようになったこと、及び2巻の桃ドリームの中でのごせんぞとの会話時に「お主の魔力を節約したいから一旦切るぞ」と言っていたことのみが根拠であるため、事実として断定しにくいです。一般人にもテレパシーが通じる可能性はありますが、5巻のキャンプ回でシャミ子が大音量のテレパシーを用いたときの杏里ちゃん(今のところ一般人のはず)の反応が描かれていないため何とも言えません。ちなみに杏里ちゃんは蛟の声は聞こえたみたいですが、これがテレパシーなのかは不明です。